ウイスキーを好んで飲む方の中には、店頭に並ぶシングルモルトに「このウイスキーのキーモルトだけを飲んでみたい」「既製品の熟成年数のものだと飲みたい味じゃない」など、思うことはありませんか。実は、そんなわがままを叶えてくれるウイスキーが存在するのです。それがボトラーズウイスキーです。
特殊な熟成年数や既製品として流通しないシングルモルトなどを世に送りだす、ウイスキーファンの夢を叶える素晴らしい会社がボトラーズです。今回はボトラーズウイスキーについて解説していきます。
ボトラーズウイスキーとは、瓶詰め業者の生産するウイスキーを指します。
ウイスキーには大きく分けて、蒸留所が独自の熟成と伝統を守り、瓶詰までを一通り行うオフィシャルボトルと、オフィシャルボトルの蒸留所から原酒の入った樽を購入し、オフィシャルでは行わないような長期の熟成や樽の詰め替えなどを行うボトラーズボトルとがあります。ボトラーズボトルとはボトラーズが思う味に仕上げていくウイスキーですが、これだけ聞くと伝統を破る悪い奴らのように思うかもしれません。が、全くそんなことはなく、蒸留したばかりのウイスキーの現金化や、コアなウイスキーファンの期待に応える、言わば、橋渡し的な役割を果たしています。
1ボトルあたりの生産量が少ないので、ボトラーズウイスキーの中には高額で取り引きされているものも多数存在します。
もはや幻?!レア中のレア、UD社が販売していたレアすぎるウイスキーとは
ユナイテッドディスティラリーズ社(以降UD社と略します)というボトラーズブランドをご存じでしょうか?代表的なものとしては、蒸留所がオフィシャルで販売することのないシングルモルトをシリーズ化した「花と動物」があります。ウイスキーをイメージした動物もしくは花がラベルにあしらわれた、シンプルかつ古風なラベルが特徴的なウイスキーです。そのUD社が販売していた伝説的なウイスキーがあります。それがUDレアモルトシリーズです。
主に、閉鎖された蒸留所のウイスキーを約20年熟成させ販売されていたこのウイスキー。全般的に相場も高く、文字通りレア度も高いウイスキーなのです。その中でも群を抜いて高いウイスキーは、ブローラ蒸留所のレアモルトシリーズです。熟成年数は20・21・24年で存在するそうですが、あまりのレア度に市場に出回ることはほとんどありません。ブローラ蒸留所とは、1819年から1983年まで操業していた歴史の長い蒸留所で、現在は有志の力もありクライヌリッシュ蒸留所として運営をしています。飲みたいと思っても、なかなか手に入るボトルではないので、古酒を扱うバー等に通うのが一番の近道だと思います。お金に余裕のある方でも、オークションサイトなどで見つけるしか方法がなく、恐らく30万円は下らない高価なウイスキーです。
閉鎖蒸留所の原酒だけでブレンド!ダンカンテイラー至極の一本
閉鎖された蒸留所の味を楽しむのもありですが、そんな蒸留所のウイスキーだけでブレンデッドウイスキーを作ったら…という型破りなウイスキーを販売したボトラーズブランドがダンカンテイラーです。過去に販売していたレアレスト オブ ザ レア ブレンデッド 33年は贅の極みといってもいい内容です。「キンクレイス」「レディバーン」「グレンモール」「グレンアルビン」「グレンクレイグ」と1本あたりの価格が10万円もしくはそれ以上ともいえるシングルモルトのみを使っています。ブレンデッドウイスキーなのでグレーンウイスキーも入っているのですが、こちらも「カースブリッジ」という閉鎖蒸留所のグレーンを使うこだわり。ちなみに現在のオークションサイトでの相場は10万円前後でしょうか。やはり高額です。750本のみという限られた出荷の為、これからもっと価格が上昇する1本だと思います。
今回は2本のウイスキーしか紹介することが出来ませんでしたが、今後も紹介していきます!
ボトラーズブランドは樽を買い付けるので、限られた量での生産となります。故に生産量が少なく、希少性が高いウイスキーが多い傾向にあります。手元のウイスキーが世間では一体どれぐらいの価格で流通しているのかを調べてみるのも楽しいものです。