お気に入りのウイスキーはありますか?
私は様々なウイスキーを飲みますが、最も好きなものは「ジョージディッケル」というテネシーウイスキーです。私のようにお気に入りのウイスキーが数多くある方にとって、“終売”のニュースほど悲しいものはありません。今回は、今ならまだ手に入れることができそうな、終売間近や終売間もないウイスキー、または終売の噂のあるウイスキーをご紹介いたします。
アードベッグのアンオーが終売に(涙)
アイラウイスキーは非常にコアなファンが多いウイスキーとして有名です。その中でも「アードベッグ」は、様々なシリーズを世に放ちファンを魅了する蒸留所だと思います。過去には、ミスから生まれた奇跡のウイスキー「セレンディピティ」や25年以上前の原酒で構成された「ロード・オブ・ジ・アイルズ」など、インパクトの強いウイスキーを数多く生産してきました。そして今回終売が決定したのが「アードベッグ アンオー」です。
3種類の樽“バーボン樽””PXシェリー樽””新樽”で熟成され、アイラ特有のスモーキーさがより特徴あるフレーバーとなっています。比較的甘口な仕上がりの為、ウイスキー初心者にも親しみ易く、もちろんアードベッグファンも魅了するウイスキー。ところが先日モエ・ヘネシー・ディアジオ社(MHD社)が、生産終了の為2022年7月に取り扱いがなくなると発表しました。「アンオー」の定価は7,000円ですが、この終売発表直後のフリマアプリのサイトでは10,000円前後で取引されていました。アードベッグは非常に人気の高い蒸留所なので、今後も市場相場価格は上がり続けるのではないでしょうか。
手ごろな長期熟成スペイサイドに終売の噂(涙)
ウイスキーの聖地として有名なイギリスのスペイサイドにある「グレンファークラス」でも、あるウイスキーが終売になるとネット上で噂になっています。
グレンファークラスは、手頃で且つ味わいに定評のある「グレンファークラス 105」が有名ですが、その他にも「グレンファークラス ファミリーカスク」(10万樽もの中から厳選されたウイスキーを、シングルカスクでボトリングする高級志向のシリーズ)など、バラエティに富んでおります。
その中で悲しくも終売の噂になっているのが 「グレンファークラス 21年」です。SNS上でウイスキーを専門に扱う酒販店から発表があっとのこと。「グレンファークラス 105」や「グレンファークラス 25年」等も値上がりの噂があります。
こういった終売の原因のひとつとして、昨今のウイスキー高需要に伴った長期熟成原酒の枯渇が挙げられます。最近の傾向でいうと、ヴィンテージ表記のものを終売し、ノンエイジウイスキーを代替品として発売するのかもしれません。
終売のたびに高騰!スプリングバンク
終売ではないのですが、いつ終売の話が出てもおかしくない、酒屋で見かけたら絶対に手に入れておくべきウイスキーをご紹介します。
スプリングバンクはキャンベルタウンに拠点を置く蒸留所で、「スプリングバンク」の他に「ヘーゼルバーン」「ロングロウ」の3種類の毛色の違ったウイスキーを生産する少し変わりものの蒸留所です。スプリングバンクでは古来のフロアモルティングを現在も続けている数少ない蒸留所のひとつで、そのために出荷量も非常に少ないレアなウイスキーになっています。
この3種類の定価はいずれも8000円前後なのですが、フリマアプリやオークションサイトでは1.5倍近くの価格で取引が行われています。世界的にも非常に人気なウイスキーで、終売の話がいつ出てもおかしくないと言われているウイスキーです。過去には「キャンベルタウン ロッホ」というブレンデッドウイスキーを2000円程度で販売していたのですが、終売後の現在では数万円にまで高騰しています。もしかしたら、現在のプレミア価格を安いと感じる日もそう遠くないかもしれません。
ウイスキーはワインに比べると管理が難しくなく、終売のニュースが絶えず流れてくるお酒です。手元にあるウイスキーコレクションが、今どれぐらいの価格になっているか調べてみるのも楽しいものです。