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ボルドー屈指の高級ワイン“5大シャトー”を解説します

2022.06.13

#歴史#フランスワイン#5大シャトー

1度は飲んでみたいワインは何かと聞かれたら、”5大シャトー”のワインを挙げる人も多いのではないでしょうか。高級ワインとしてメディアで紹介される場合も、”5大シャトー”のワインが最も多いという印象です。今回は、高級ワインの中でも”5大シャトー”が人気の理由について解説したいと思います。

5大シャトー?1級?ボルドーワインの階級とは

“5大シャトー”とは、フランスのボルドー左岸に位置するメドック地区で、5段階ある格付けの最上位ワインのことを指します。なぜメドック地区のワインを格付けする必要があるかというと、起源は1855年に行われたパリ万博にまで遡ります。当時から「フランスといえばワイン」と世界に浸透するほどには、フランス国内にワインを醸造するシャトーが多く存在しました。万博に来る世界中の人へ”本当に発信したい上質なワイン”を簡単に見比べる指標を設けるべきだと、当時の国王ナポレオン3世がボルドー商工会議所に、ワインを5段階で格付けをするよう命令したことが始まりと言われています。

宮廷で大人気!今なおトップに君臨するワインの王様

“5大シャトー”と言われるワインの中でも、一番人気を誇るのが「シャトー ラフィット ロートシルト」です。1868年にバロン・ジェームス・ド・ロートシルトが所有権を獲得し、世界的にも有名な財閥「ロートシルト家」が現在も所有しているシャトーです。「ラフィット」とは、所有するブドウ畑が村の中で一番高い場所に位置していた為、フランス語で小高いを意味する「la hauteラ・イット」から「lafiteラフィット」と名付けられたといいます。現在でも人気なラフィットロートシルトですが、1800年代頃の宮廷内での支持は厚く、ポンパドゥール夫人に「ラフィット以外は飲まない」と言わしめたほどだといわれています。

有名画家もラベルを手掛けた、這い上がりのワイン

1級シャトーの中では異端でかつ、ボルドー全域を見ても特殊なワインとして有名なシャトー ムートン ロートシルト。ワインの顔でもあるエチケットを毎年変更することで有名です。過去には、有名な画家もこのワインのエチケットを手掛けており「ピカソ」「ジャガール」など世界的にもコレクターの多いワインとなっています。ただ、このムートンですがパリ万博当時は2級ワインだったことをご存じでしょうか?ワインの品質としては1級ワインに選ばれる実力を持っていたムートンですが、所有者の父がナポレオンの敗戦を理由に大儲けしたことで反感を買い、2級に甘んじる結果となってしまったといわれています。しかし1973年に異例中の異例ともいわれる格上げが行われ、1級に昇格します。ムートンが這い上がりと言われる所以です。

メドック地区外から1級シャトーに選ばれた特例シャトー

当然の話ではありますが「メドック格付け」と言われている限りはすべてメドック地区のワインだと思われている方も多いと思います。しかし、1つだけメドック地区産ではないワインが存在することをご存じでしょうか?それが、シャトー オー ブリオンです。
この例外が認められたのは、1500年代からワインを醸造していたというこのシャトーの長い歴史と、当時からその品質に圧倒的な知名度があったことが理由として挙げられます。ちなみに、オーブリオンが拠点を置くグラーヴ地区のペサックレオニャンでは白ワインも有名で、時には赤ワインの倍以上の金額がつくこともあります。

こだわり随一の超熟ワイン

ボルドーの中で最もこだわりを感じるシャトーラトゥール。最初の持ち主はセギュール伯爵です。ハートマークで有名な、格付け2級のカロン・セギュールの持ち主でもあります。
1855年の格付け以前でもその人気は非常に高く、他のシャトーの数十倍の値段で取引されることもあったようです。ラトゥールの特徴として言われるとても強い渋みは、長く熟成させることで本来の味に到達まで最短でも15年は熟成させないといけなといわれています。
ラトゥールは、ボルドーではプリムールに参加していないかなり珍しいシャトーです。プリムールとは、古くからボルドーで行われる、熟成前のワインを試飲する先物買いの取引のことです。従来はここで資金繰りをするのですが、ラトゥール側の「しっかりと熟成させたものを味わってほしい」との理由から、2012年からプリムールへの参加を辞退したとのことです。2015年には、農薬による健康被害に配慮するとして、完全なオーガニック醸造を行っており、社会に寄り添うシャトーとしても高く評価されています。

栄枯盛衰の後に不動の地位を獲得したワイン

最後はボルドーで最も女性的なワインと言われるシャトーマルゴーです。マルゴーは、シャトーの名前そのものが産地呼称になっている点に歴史を感じます。1600年代頃、粗悪なボルドーワインが多く流通している中、良質なブドウの栽培技術を持っていたマルゴーは非常に人気のあるワインでした。格付けでも全員が納得の1級を獲得します。そんなある時、害虫フィロキセラにより畑がほぼ全滅してしまいました。しかし、そのような最悪な状況も覆すように、1900年に100年は持つといわれる最高の出来のワインを世に排出します。
1973年にはブドウの不作と粗悪品が流通していたことで最悪の条件が重なり、ワインアドヴォケイトで100点中55点という低すぎる点数を記録しますが、1982年にはボルドーのグレートヴィンテージとも言われるワインを生産します。
このようにマルゴーの歴史は激しくアップダウンを繰り返してきましたが、現在は1級の名に恥じぬシャトーとしての信用を取り戻しております。

いかがでしたでしょうか?高級ワインである5大シャトーには、強いこだわりだったり、信用を取り戻すためにたゆまぬ努力を続ける姿勢など、ドラマのようなエピソードがありワクワクしますよね。
5大シャトーワインを飲む機会が巡ってきた時にこういった予備知識があると、さらに奥深く味わえる気がします。