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ウイスキーの要。知れば知るほど面白いポットスチルの魅力とは

2022.08.30

#スコッチ#蒸溜所#ポットスチル#味わい

ウイスキーの味わいを決める手段として、スコットランドではピートを加えたり、バーボンでは使う穀物の量を調整したり、多種多様な方法があります。その中でも今回は、蒸溜窯の使い分けに着目してみます。
蒸溜窯とは“ポットスチル”のことです。ポットスチルによって、ウイスキーに個性が加えられると言われています。今回は、ポットスチルはどのように使われていたか、ポットスチルのウイスキーにおいての役割や基本的なポットスチルの形や小話などをご紹介いたします。

ポットスチルの始まり

ウイスキーにおいて重要な役割を担うポットスチル。スコットランドではホワイトアンドマッカイ、日本ではサントリーやニッカなど、ポットスチル型のボトルをしたウイスキーが販売されていたほど、”ポットスチル=ウイスキー”というイメージが浸透しています。
しかし、ポットスチルはウイスキーの蒸溜を目的として開発されたものではなく、香水や薬、製油造りが目的で使われておりました。ただ過去にはビールを蒸溜し薬として販売していたこともあるので、アルコール製造には関わっていたようです。

ポットスチルが銅製である理由

ポットスチルの原料は銅です。銅は熱伝導に大変優れた素材で、蒸溜を行うにあたって非常に効率が良く、触媒作用と言われるアルコールのえぐみや有害とされるフーゼル油を取り除くことにも優れています。銅を使うことによって、ポットスチルは、麦本来の味わいやフルーティーさを最大限に引き出すことが出来る、言わばウイスキーの要というべき存在になりました。

ポットスチルの形状について

ポットスチルは形状によっても味わいが大きく変化するとも言われています。
一番オーソドックスな形状が“ストレート型”と言われるポットスチルです。スコットランドを代表する多くの蒸留所が、この形状のポットスチルを使用しています。「スプリングバンク」「マッカラン」「ボウモア」「ハイランドパーク」など、ほぼ全ての地域で使用されています。日本では、余市蒸溜所や白州蒸溜所でも使用されており、ポットスチルと言えば“ストレート”と思っていても間違いはないかもしれません。

シングルモルトで多く使用される“オニオンシェイプ”

スコットランドで最も使用されているのが“オニオンシェイプ”と言われる形状のポットスチルです。オニオンシェイプのポットスチルは接地面が広い為、より純度の高い蒸溜液を作ることが出来ると言われています。代表的なウイスキーは、アイラ島で製造される「ブナハーブン」や「ラガブーリン」です。
ブナハーブンはアイラ島で製造されるノンピートのウイスキーですが、高純度の蒸溜液を求めてオニオンシェイプを採用しているのです。

それに対してラガブーリンは、力強いピート感とスモーキーさを強調する為に、このポットスチルを使用しより個性的な味わいにしているのかもしれません。

軽井沢蒸溜所のポットスチルは今も稼働している?!

閉鎖した蒸溜所でもそのポットスチルで新たにウイスキーを作れば同じ味を作ることができるのではないか、と思う方もいるかと思います。国内ですでにそういった試みをする「ガイアフロー蒸溜所」という蒸溜所が存在します。
「ガイアフロー蒸溜所」で使用されているポットスチルは、「軽井沢蒸溜所」で使用されていたもので、サントリーでも以前行っていた“オーナーズカスク”と同様の「樽買い」も行うとても前衛的な蒸溜所です。
こちらの蒸溜所では「静岡蒸溜所 ガイアフロー ブレンデッドM」というボトルを販売しています。定価は3,900円とブレンデッドの中価格帯のものですがが、生産量の少なさ故か、現在フリマアプリでは倍以上の価格で取引されています。
軽井沢蒸溜所の特徴が感じられるか、一度試してみたいボトルのひとつです。

いかがでしたでしょうか?私自身もウイスキーを飲み始めた当初は、ポットスチルがここまでウイスキーに大きな影響を与えることを全く知りませんでしたが、勉強を重ねるにつれ、製造過程の重要さを改めて認識することが多々あります。